「マーケティングファネル」を上手く機能させるためには、「商品ラインナップ」が重要ですが、どのように商品を作っていけば良いのでしょうか。
参考:【図解】マーケティングファネルとは|ファネルの歴史と簡単な分析方法
商品を作るときは「フロントエンド商品」「バックエンド商品」の2種類に分けて、サービス内容を考えていく必要があります。
今回は、「フロントエンド・バックエンド商品の作り方」について解説していきます。
松岡幸助
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目次
フロントエンド・バックエンド商品とは
フロントエンド商品とは、「低価格または無料」の商品のことです。
一方で、バックエンド商品は、「利益を出すための高額な商品」のことを表しています。
フロントエンド・バックエンドの2種類が必要な理由は
なぜ、フロントエンドとバックエンドという2種類の商品を作らなくてはいけないのでしょうか。
その理由は3つあります。
まず1つ目は、いきなりバックエンド商品を販売するよりも、フロントエンド商品を手にとってもらい、商品の良さを感じてもらった方が、バックエンド商品(高価格帯)が売れやすいからです。
2つ目は、お客さんの満足度は、フロントエンド商品を知ってから、バックエンド商品を味わった方がより高くなるからです。
そして、3つ目は、結果的に、フロントエンド商品からバックエンド商品に流れて行けば行くほど、お客さんが商品のファンになってもらいやすくなるからです(マーケティングファネルが働く)。
では、フロントエンド商品とバックエンド商品のそれぞれ目的、特徴、事例について詳しくご紹介していきます。
フロントエンド・バックエンド商品の特徴と事例
フロントへの商品を作る目的は、「見込み客リストを集めるため」です。
一方、バックエンド商品は、「利益を出すための商品」です。
そのため、フロントエンド商品は、「お客さんの質よりも数」を重視します。
集めたお客さんの中で、より商品の特徴やメリットを感じてもらえた一部のお客さんに、バックエンド商品を買ってもらうことによって利益を出していきます。
フロントエンド商品は、あなたの商品とかサービスの良さを感じてもらう「きっかけ」であると捉えて下さい。
そのためには、まずは手に取ってもらうことが大切ですよね。手に取りやすい「低価格帯」や「無料」であることがポイントです。
そして、その良さを実感してもらうためには、「効果がわかりやすいもの」を選ぶと良いです。
また、フロントエンド商品は、バックエンド商品の「布石(ふせき)」となるような商品にしておく必要があります。
フロントエンドとバックエンド商品が全く別ジャンルの商品だと、「フロントエンド→バックエンド」に移行しづらいことは言うまでもありません。
さらに、フロントエンド商品だけで、お客さんのニーズが全て満たされていては、バックエンド商品を欲しいと思うこともありません。
「小満足」のレベルでフロントエンド商品を作る必要があります。つまり、一定の期待値を超えた満足度を与えることが大切です。
では、具体的な事例を見ていきましょう。
例えば、化粧品の無料サンプルがいい例です。
バックエンド商品では、化粧品を継続して「毎月購入してもらう」ことを用意して、フロントエンドでは無料でその化粧品のよさを実感してもらう訳です。(※無料お試しセットと引き換えに、見込み客リストを入手する)
あとは、無料のスマホゲームとかも同じです。
無料でなぜできるかと言うと、広告費もありますが、1番は「課金してくれる一部の熱狂的なユーザー」のおかげです。
自分が買った「フロントエンド・バックエンド商品」を考察してみよう
あなたも実際に自分で購入した「フロントエンドとバックエンド商品」の事例を考えてみて下さい。
私の場合は、カメラが好きですが、一眼レフの中に、「撒き餌レンズ」と呼ばれるフロントエンド商品があることに気が付きました。
「撒き餌レンズ」は、「50 mm / F1.8」っていうのが主流で、このレンズは15,000~20,000円ぐらいで買えるんですね。
カメラやってない人には高いと感じるかもしれませんが、フルサイズカメラのレンズってこんなに安く買えないんですよ(笑)
でも、低価格帯と思えないほど「50 mm / F1.8」は、非常に綺麗な写真が撮れるんですよ。
「こんな値段で、こんなに良いレンズが使えていいのか⁉」と誰もが感じるんですが、カメラユーザーは「レンズを変える楽しさ」や「レンズ交換できれいな写真が撮れる」と教育されるんですね。
だからこそ、「まきエサレンズ」と呼ばれていて、「レンズ沼」と呼ばれる「レンズの大量購入」の沼にずぶずぶと、カメラ好きはハマっていってしまうんです・・・。
おそらく「まきエサレンズ」ではほとんど採算は取れていないと思います。
でも、その後ろに「バックエンド商品」がしっかりあるんです。
有名なのは、「大三元レンズ」と呼ばれていて、「24~70 mm / F 2.8のズームレンズ」です。
このレンズは「24万円」します。
先ほどの「50 mm / F1.8」は単焦点レンズでズームができないレンズですが、バックエンド商品の「大三元レンズ」はズームもできるのに「写真の明るさ」が一定に撮れる優れもののレンズなんです。
カメラでズームをすると、レンズの筒が伸びたり縮んだりします。
長いトンネルだと、トンネルの中が真っ暗なように、筒がぬ伸びるほど「光の量」が少なくなります。
でも、光の入る量が変わるのに、明るさが一定なのがこのバックエンド商品の「大三元レンズ」です。
だから、非常に高機能で、誰もが欲しがるようなレンズになってるんですね。
でも、このレンズをカメラ始めたてで「いきなり買う」ってやっぱりハードル高いわけですよ。
だからこそ、「撒き餌レンズ」で「安い価格帯でこれだけ綺麗な写真が撮れるんだったら、ズームもできるし、もっと良いレンズを買えばもっと良い写真が撮れるんじゃないか?」って思うわけですよね。
だからみんな買ってしまうんです。
バックエンド商品を買うのは特別なお客さん
ちょっとカメラのところで熱が入りすぎました。
話を戻すと、バックエンド商品は、その価値のわかる人だけが買う商品です。
しかし、バックエンド商品を買ってもらうためには、まずはより多くの人に「フロントエンド商品」を手に取ってもらい、バックエンド商品を買ってくれる人を1人でも多く集めることが重要です。
だから、お客さんの「質よりもまずは数」にフォーカスして、フロントエンド商品を体験してもらうことが大切です。
フロントエンド・バックエンド商品の作り方
では、具体的にどうやってフロントエンド・バックエンド商品を考えればよいのでしょうか。
まずは、基本的な考えとして「フロントエンドではなく、バックエンド商品」から作ります。
バックエンドの商品を作る時は、まず売れるもの売ってみて、お客さんの声を聞きながら、本当にお客さんのニーズに合うような商品(バックエンド商品)を作っていく方法があります。
だから、一番簡単なのは、まず何か商品を持っている人は売ってみることです。
売ってみてお客さんの反応や声から商品を作っていくという流れですね。
また、単純に自分ができる「最大限のサービス」をバックエンド商品にするという考えもあります。
例えば、コーチングとかコンサルティングをしてるので、あれば「個別セッション」をするなどが考えられます。
教室形式(一対多)ではなくって、一対一の個別セッションにするということです。
このように、できることの最大限をパッケージにしてバックエンドとして売ってみることも大事です。
「売り物」はなにか?という視点
商品作りを考える上で、最も大切なのはビジネスの中心は、「商品」でなくて「お客さん」ということです。
商品ありきのビジネスは、商品を作って、その商品に合うお客さんを探していくということです。
そうではなくて、まずはお客さんのニーズありきです。
商品に合うように「お客さんのカタチ」を変えるのではなく、お客さんに合う商品を提供していく姿勢が大切。
だからこそ、売れない商品はどんどん辞めていく勇気が必要ですし、お客さんのニーズに合う商品をどんどん新しく作っていくという考えが大事です。
フロントエンド商品の作り方と注意点
フロントエンド商品を作っていく方法で最も簡単なのは、バックエンドが商品の一部を取り出すという方法です。
例えば、先ほどの化粧品であれば無料サンプルがいい例です。
無料サンプル用の化粧品を作っているのではなく、「商品の一部」を「ちょっとパック」に詰め替えて提供しています。
無料サンプルでは、一週間分とかそのぐらいに使えるようなものを提供して、一週間使ってみて良かったら「定期購入」してくれるようになります。
また、無料体験も同じ考え方です。一か月間の無料体験で満足したら、継続してくれるようになります。
その他のフロントエンド商品を作る方法としては、競合他社をリサーチして、ライバルのフロントエンドよりもプラスアルファして質も良いものを考える方法もあります。
ただ、このとき気をつけるべきは、質を上げすぎないことです。
バックエンドとフロントエンドの差が小さいと、お客さんの満足度はあまり高くなりません。
しかし、難しいのは、「フロントエンドで手を抜いちゃいけない」ということです。
もしかすると、「バックエンド商品とは差をつけるけど、手は抜かない」ということに、少し矛盾を感じるかもしれません。
ただ、「無料だから」とか、「低価格だから」って、手を抜いてしまうと、誰もバックエンド商品を買おうとは思わない訳です。
だからこそ、「無料なのに?」とか「低価格なのに?」という、感動や驚きを与えられるようなフロントエンドを作る必要があります。
簡単に言うと、味見みたいなもので、味見して美味しかったから買うということですね。
信頼残高を作るという考え方
また、「信頼残高をつくる」という考え方も重要です。
信頼残高とは、お客さんにが「商品やあなた」に対する「信頼の度合い」のことです。
名著である「7つの習慣」の中で、この「信頼残高」という考え方が紹介されています。
「7つの習慣」では、私たちは他者との人間関係においては「信頼」という銀行口座に、「感謝されること」で「信頼」を貯金していると表現されています。
私たちは、他者に「期待を超えるようなものを与える」ことで貯金し、「約束を破ったり、融通を利かせてもらう」ことでその貯金を下ろしているのです。
だからこそ、夫婦関係においても「結婚したから」といって、どちらかが「引き出し」ばかりしていたら、信頼残高はなくなり、口座が凍結されるわけですね。
このような考えに立つと、私たちは、感謝される「フロントエンド商品や有益な情報」をお客さんに提供することで、お客さんの信頼口座に目に見えないカタチですが、信頼貯金していることになります。
その貯金された信頼を「バックエンド商品」というものでお金に換金していると考えることもできるのです。