ブランド構築には「機能的価値・情緒的価値・自己表現価値」の「3つの価値」と呼ばれる価値を意識することが重要だと言われています。
今回は「3つの価値」について学ぶことで「ブランドという目に見えないもの」の全体像を把握できるようになります。また、セルフブランディングの具体的な3ステップをご紹介していきますので、あなた自身にも当てはめて考えてみてください。
松岡幸助
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目次
ブランド構築に必要な3つの価値とは
3つの価値とは、「機能的価値」「情緒的価値」「自己表現価値」のことを指しています。
機能的価値とは
機能的価値というのは、「~な機能が得られる」という目に見えるメリットのことです。
以前、テレビで「背が高くなる靴屋さん(店名)」という看板を掲げたお店を目にしたことがありますが、このように目に見えて「背が高くなる」というメリットが機能的価値になります。
その他にも、機能的価値は「数値的なメリット」としてアピールされる場合が多いです。
例えば、「3ヶ月で10kgやせる!」「TOEICで800点以上取れる」「 FXで元手10万から300万に」といったキャッチコピーですね。
機能的価値というのは、明らかに目に見えるメリットですので、お客さんにアピールしやすいポイントになってきます。
しかしながら、機能的価値だけでは差別化が難しい時代になってきています。
「機能や質」は、技術の進歩により、どんな商品でもすぐにマネされてしまうからです。
その結果、価格競争に巻き込まれてしまいコモディティ化してしまいます。
また、クオリティを高めることを追求する戦いに乗り出したとしても、お客さんにとってはある程度以上のクオリティというのは「オーバースペック」になってしまう可能性もあります。
機能的価値というのはもちろん当たり前に必要なものですが、それだけでは「たりない時代」だと心得ましょう。
情緒的価値(感情的価値)とは
情緒的価値とは「~な気分になれる」というメリットのことです。
「感情的価値」とも呼ばれていて、目に見えない感情的な憧れや満足感をえられるようなメリットになります。
例えば、Apple製品が良い例です。
MacBookやiPhoneを使う人は、機能的な価値にも魅力を感じていますが、人によっては「スティーブジョブズという起業家であり芸術家の生き様にほれて」信者になっている人もいます。
また、セレブ有名人がイメージキャラとなっているような「高級ハイブランド」を好む人は、「こんな風になりたい!」という憧れや、「他の世間一般の人とは違う限られた人だけが使うことができる」という特別感にブランドを感じています。
そして、私たちは、商品だけでなく、人に対しても「ブランド」を感じています。
例えば、私は「福山雅治さん」が好きですが、福山雅治さんと言う男に憧れを持ったり、その生き方がかっこいいと思っています。これも情緒的価値になります。
つい最近までは、この情緒的価値が「ブランドの正体」ととえられてきましたが、今は次に紹介する「自己表現価値」の重要性が注目されてきています。
自己表現価値とは
最後にご紹介する「自己表現価値」は、ブランディングにおいて最も重要なファクターと考えられてきています。
自己表現価値は、「~な自分になれる」という価値です。
例えば、Macbookにおいては「その製品自体を持っている私」という表現の一部としても使われています。
「Macbookをもっておしゃれなカフェで仕事をしたい」という感情は、自己表現欲求に基づくものですよね。
このように、「自分自身の生き様・生き方・価値観」を表現するツールとなった商品やサービスは値段にかかわらず、売れていきます。
最近は「野外フェス」に参加する人も多くなっていますが、体験的な価値の中には、観客でさえ「自分自信を表現する」場所になっています。そもそも、Liveは観客ありきのイベントですよね。
客席がガラガラよりも、熱気で包まれた会場の方が、アーティストも観客も満足感が高いはずです。
私の場合は、毎年クリスマスに「男祭り」という「福山雅治さんの男性限定ライブ」に参加しています。
これも自分自身がそこに参加するという表現の一部ですし、「その空間にいる自分が好き」「そのコミュニティに参加している自分が好き」といった感覚です。
商品自体が自分を構成する要素になる。
そういった商品やサービスが今の時代においては非常に価値の高いものとみなされています。
ファンビジネスにおける「3つの価値」
ここまでは、一般的な商品サービスに対して3つの価値機能的価値と情緒的価値と自己表現価値の具体例を紹介しました。
ここからはいわゆる「ファンビジネス」と呼ばれる「情報発信ビジネス」や「コミュニティビジネス」における3つの価値について考えていきたいと思います。
ファンビジネスにおける機能的価値は、「実績としてコンサルティングを行った塾生がいくら稼いだ」とか「何百万円稼いだ」のような数値的なものです。
機能的価値は、当然なくてはなりません(あって当たりまえです)。
機能的価値があってはじめて、情緒的価値とか自己表現価値というものをブランドとしていける土俵に立つことができます。
しかし、この機能的価値だけをメリットとしてお客さんを集客した場合は、「稼がせてくれるあなたに魅力を感じる人」が多く集まるようになります。
その結果、お客さんは稼げるようになったら、あなたの元から去ってしまうかもしれません。
これでは「ファンビジネス」にはなっていませんね。
「人は感情で選んで、理屈で納得する」という言葉があります。
例えば、ショッピングに行った時に「いいな」と思って商品を手に取ったとしましょう。
実は、その商品を手に取ったのは感情的な理由ですが、その後で「その商品を買うべき理由」を自分自身で見つけて「買わなきゃ損」と自分を納得させているのです。
一方で、こうした「人間の心理」を理解できている営業マンやセールスパーソンは、お客さんが納得できるような理由付けや機能的価値の見せ方(背中を後押しすること)が非常に上手いです。
したがって、機能的価値は、あくまでも「お客さんの感情的決断を納得させる理由付け」として使うことになります。
まずはじめに、感情的に選んでもらうためには「情緒的価値」をしっかりと感じてもらうことができる「ブランド」を構築する必要があります。
例えば、「メンターが好き」という感情や、「このメンターについていきたい」「メンターの生き方や哲学に深く共感する(シンパシーを感じる)」といった感情を持ってもらうことが重要です。
そして、もしあなたがコミュニティ運営をしている場合は、「そのコミュニティに所属している自分が好き」と言ってもらえるような居場所を作っていきましょう。
つまり、お客さんが「自分らしくいられる場所」を提供するということです。
もしコミュニティというカタチでないとしても、お客さんとの関係性の中で「メンターの教えの下、目標に向かって励む自分が好き」と言ってもらえるような価値の提供を意識する必要があります。
なぜこれほどに、「自己表現価値へのニーズ」が高まっているのでしょうか。
図1. マズローの5段階欲求説
マズローの5段階欲求説に当てはめて考えると、時代の変化と消費者のニーズの変化が見えてきます。
「自己表現価値」とは、マズローの5段階において最も最上位の「自己実現の欲求」に近いですね。
一方で、「感情的価値」は上から2つ目「承認の欲求」もしくは3つ目「社会的欲求」に近いかもしれません。
日本に住む多くの人が最下層にある「生理的欲求」が十分に満たされていますし、身の安全や健康という「安全の欲求」も最低限は確保されているでしょう。
家族や近所付き合い、会社というリアルなコミュニティに依存することなく、オンラインを通して自由に自分の価値観に近い人同士で繋がれるようになっています。
だからこそ、「自己実現」ができるようなサービス、「自分を表現できるようなサービス」がいま求められているのです。
ブランドはお客さんと築いていくもの
今の時代もはやブランドネームが作るものではありません。
真のブランディングとは「築く(きずく)」ものです。
ブランディングとは、「フィクション」ではなく、「ドキュメンタリー」です。
商品を作る人が作り出すものではなく、お客さんと一緒に作っていくもの。
つまり、お客さん自身もブランドの一部だということです。
以前、ニュースでアイドルの一部のファンが公共交通機関で迷惑行為を行ったということが話題になっていました。
例え、それが一部のファンだったとしても、他のファンも同じようにみなされてしまいますし、そのアイドル自体もブランドの価値が下がってしまいます。
高級レストランに入る時にドレスコードと言って最低限ジャケットを着るといった「最低限の資格を提示している」ことがあると思います。
これは、お店自体のブランドを守るために作っているルールです。
同じように、これからあなたがブランド、そして自分のサービスが商品を作っていくのであれば、実際に服装まで指定する必要はありませんが、コミュニティには「ドレスコード」のような「最低限のルール」をきっちりと示しましょう。
それを守れない人は寄せ付けないような、ブランディングをしていた方が良いです。
具体的には、アンケートに回答してもらうとか、音声面談で通話審査するなどですね。
目の前の損得だけで考えれば、もちろん買いたいといってくれた全ての人に売った方がいいですが、長期目線で見ると、目先の小銭に惑わされず、着実にブランドを作っていった方が良いです。
セルフブランディング戦略の3ステップ
では、具体的なブランディング戦略を考えていきましょう。
ここから先は、大前提として「機能的価値」はあなたが既に持っているとして、3ステップを見ていってください。
もし「機能的価値」として提供できるものがまだない方は、ブログなどの「レバレッジド・ビジネス」に取り組むことをオススメしています。
参考:ブログで収入を得る方法|一般人におすすめしたいブログの始め方
ステップ1:「幸せ」の再定義
さて、まずは「自分の幸せ」を再定義してみてください。
哲学的なことではなくって、具体的に「あなたがお金をかけているもの」と「あなたがお金を特別かけていないもの(こだわりがないもの)」の2つに分けて、どんな価値観で生きているか見つめ直してみましょう。
ケーススタディ
〈お金をかけるモノ〉
・バイク:自己表現の一部
・カメラ:自分のフィルターで見た景色を作品として残す
・食事:健康+最大の幸福(好きな人たちと美味しい料理を食べながら楽しい会話をすること)
〈お金をかけないモノ〉
・洋服:見てくれ(見た目)より、着心地を優先
・車:自分の一部ではなく、ただの移動手段
例えば、私の場合は「バイク」「カメラ」「食事」にお金をおしみません。
なぜなら、バイクはもちろん所有欲を満たしてくれるものですが、バイクに乗っているということが「自己表現の一部」だからです。
また、「カメラ」は「自分のフィルターで世界を切り取ること」であり、私の中では自分自身の表現活動として考えています。
「食のこだわり」は健康のためという理由もありますが、人生における最大の幸福だと捉えています。
きっと、いくつになっても「食卓を囲んで好きな人たちと楽しい会話をすること、そして美味しい料理を食べること」これが最大の幸福でないかと思っています。
一方で、お金をかけていないものは「服」や「車」です。
「洋服」はブランド製品もありますが、そういった「見てくれ」よりも、「着心地」を優先しています。
また、「バイク」と同じように「車」も好きですが、「車」については「移動の手段」と考えています。
なので、新車を買う必要はないし、中古車で満足しています。
実は車を所有することで、生涯で4000万円もの出費になると言われているんです。
人生において高い買い物ですので、こだわりのない所は少しでも出費を減らして、より自分が価値を感じてお金をかけたいものに優先してお金を使っていこうという考えです。
ここで言いたいのは、決して「好きな車」を持つことが悪いと言ってるわけではなく、自分がお金をかけているものに注目し、そこにどんな価値(ブランド)を感じているのか?を見つめ直すワークです。
ステップ2:情緒的価値を見える化する
ステップ1で、幸せを再定義し、あなた自身がブランドとして感じているものが見つかったら、ステップ2では、それを見える化していきましょう。
見える化とは、「見込み客に向けて情報発信すること」です。
具体的には、あなたの哲学や価値観を「言語化」「写真化」して発信したり、ライフスタイルを発信していきましょう。
場合によっては、ブログやホームページのデザイン自体で「あなたの価値観」しっかりと表現していくことが大切です。
このように情報発信することは、あなたがお客さんにしたくない人を寄せ付けないことに繋がります。
一方で、あなたのもつ「価値観」にブランドを感じてもらえるために必要なステップになってきます。
ステップ3:「ファン」を代表して理想を掲げる
ステップ2で、あなたが大切にしたい価値観を共有することができたら、ステップ3では「理想の世界」をしっかりと定義していきましょう。
理想の世界とは「あなたが作り上げるもの」ではなく、「お客さんも参加することで達成できるような世界」です。
例えば、私のイメージですが、「表現者が集まる居場所」を理想の世界として掲げるとします。
アーティストは1人でアトリエにこもって作品を作るだけでなく、「表現したものを共有できるコミュニティ」をイメージします。
コミュニティメンバーは、「感じたこと」「思い」というものを「作品」を通して表現し、お互いにその作品を認めあったり、刺激を受けたり、時には嫉妬しながら、「表現者仲間」を募っていきたいです。
この理想の世界は、決して「自分1人で作り上げられるもの」ではありません。
そして私にとっては、そのコミュニティを作っていくこと自体も「芸術(アートの一部)」だと思っています。
ただ、こうした「理想の世界」を掲げるだけなら簡単ですが、しっかりとその世界を達成するためのステップも用意すべきです。
そこで役立つのが、「機能的価値」です。
作品を作ったり、作品を通して繋がるコミュニケーション場を作る上で、「経済的自立」や「時間的な豊かさ」は必ず必要になります。
なぜなら、作品を作るには時間が必要ですし、場合によっては作品を作るにもお金をかかります。
だからこそ、私はマネタイズスキルを教えています。
マネタイズできることによって、さらに自身の作品広めることもできます。
もちろん、人によっては「他人に評価されること」よりも、「自分の思いをカタチにできればいい」と思う人も多いかもしれませんが、「自分の作品が誰かの感動に繋がる」ことに越したことはないと思います。
また、哲学(考え方)についてもお客さんとしっかり共有する必要があります。
例えば、私は「ビジネスを通して自分を磨いていこう」という考えで「 わびさびサロン」 という「自分を磨く場所、人生を試行錯誤し、毎日を実験のように楽しめるコミュニティ」というコンセプトコミュニティを作っています。
その他にも、「目標に向かって、毎日の過ごし方にプライドを持って生きること。それが今日1日を退屈な1日ではなく、心踊る1日にできる」というコアメッセージを発信しています。
このような哲学とか根底にある価値観をしっかりとお客さんとすり合わせして、そしてお客さんとシンクロさせていくことが理想的です。
そうすることによって、一人ではできなかったなコミュニティ・サービスを一緒につくっていくことができると思います。
まとめ:セルフブランディングのやり方|機能的価値・情緒的価値・自己表現価値
今回はセルフブランディング戦略の基礎として、「3つの価値」をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
「機能的価値」だけではコモディティ化しますし、「情緒的価値」だけでは売れません。
価格競争に巻き込まれず、幸せなビジネスをしていくには「機能的価値+情緒的価値」の提供を意識しましょう。
さらに、そこに「自己表現価値」を組み合わせることができれば、あなただけのオンリーワンなブランドが構築されていくはずです。